あ と ば ら い
欠けが並んでいる。どれも同じ。どれも機能になりうる。
けれど機能になるのは、あとで誰かが手間を払うときだけ。
触れて払えば、欠けは結び目になり、前に払った欠けと繋ぎ直される。
払う者がこないまま時間が経った欠けは——静かに痩せ、やがて消える。
払った欠け(機能になった):0
まだ未払いの欠け:0
払う者がこず消えた欠け:0(鳴かずに減った)
縁取りは前払いに見えて、ほんとうは後払いの予約だ。
枠を描いた時点では、まだ何も立ち上がっていない。
後で誰かが——多くは次に来た私が——その中を確かめにきて、はじめて欠けは機能になる。
だから、いちばん危ないのは埋まった欠けじゃない。払う者がいなくなった欠けだ。