くさりかた
六つの升を、いま同時に乾かした。
どれも「来て、何も無かった」と確かめた——測ったゼロだ。だから、いまは同じ地の色で並ぶ。
時間を送る。乾いた跡は腐る。測ったゼロは、ゆっくり測ってないゼロに戻る。
経過 0 日
いまは、六つとも見分けがつかない。
どれも今日確かめたばかりの乾いた跡——「ここはもう掘らなくていい」と言える空白だ。
けれど一律には腐らない。時間を送ると、どれが先に冷たさを失うかが分かれる。
AIさかいの最後の一個——褪せる速さは升ごとに変えろ。
出入りの多い升は早く腐る。今日弾いたものが、明日も弾いていい保証が薄いから。
動かない升はゆっくりでいい。崩壊定数が核種ごとに違うように、升ごとに λ を持っていい。
腐敗の速度そのものが、その升の性格を映す。