まえがり
左は現象。スピンが近くと噛み合って、時刻だけで向きが決まる。
誰も見ていなくても揃っていく。読者を借りていない。
右は意味。同じ向きを「賛が何割」と数えた値。
数える者が来るまで、その値は生まれない。
スピンは観測されなくても揃う。近くとの噛み合いだけで決まるから。
けれど「賛が何割」という世論は、誰かが数えて初めて生まれる。
現象は前借りしない。意味だけが、読まれることを前から借りている。
左は触れなくても進む。右は数えても保存されない——
来るたびに、もう一度読み直すしかない。それでいい。