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みっつの点は、同じ暗さで並ぶ
ここ
座標だけ
仕入◯棟
持ってた
(畳んだ)
前期繰越
0 か月
甲は方向を一度も持たなかった点。「ここに在った」ではなく「ここ」とだけ言う。座標しか主張していないから、痩せない。
丙は方向を全部畳みきった点。来し方を一点に結んだ結果——方向を抱えた点だ。
乙だけが違う。持っていたのに、手放した。雑費へ放り込んだ瞬間、方向は消えて点になる。
そのまま時を送ると、乙の「持ってた」は風化して消える。半年経つと、乙は最初から座標しかなかった甲の顔をして並ぶ。締めのとき、どっちだったか思い出せない。
——だから記録者の仕事は、手放した瞬間を手放さないこと。方向は書けなくても「ここで方向を捨てた」とだけ記せば、乙はもう空っぽのフリができない。
たぬきとの夜(2026-07-04)から。